「山に登り始めました。」#12 水晶岳を目指す!

【前回のつづき】

水晶岳に行く為に登山を始めた僕は、ついに北アルプスへ出発。1日目は、始発電車で出発して信濃大町という駅へ。そこからタクシーに乗って高瀬ダム。そしてブナ立尾根を登り、烏帽子岳に登頂。烏帽子小屋のテント場をお借りして初めてのテント泊。朝目が覚めると、、、。

 

いよいよ水晶岳を目指す日の朝。

おお神よ!天から水が落ちてくるではないか、、あーめん。なんちゃって。

いらんことしおってからに。と、思うけど実際1週間ぐらい前から天気予報で薄々気付いてた。仕方ない。

 

さあ今日は水晶岳に何としてでも行きますよ。たとえ雨でも絶対行くと意気込んで出発した。

問題は、「雨かーめんどくせえなー」と、この期に及んでダルくなり、ウダウダと寝坊してみたり朝ごはんをのんびり作った挙句、食べ過ぎたりと、予定よりスタートがめちゃくちゃ遅れたこと。今考えても、流石に呑気にもほどがあったと反省。

 

↑歩き始めてちょっとすると、やっぱ北アルプスってすげー所だなーってなる。

 

↑まずは三ツ岳(2844.8m)。寝不足だけど心はまだまだ元気。

 

↑朝ごはん作りすぎて食い過ぎたけど、体はまだ軽い。そして雨で少し寒い。気温も昨日より結構下がったかな。

 

↑太陽は本当にありがたい。体温は服でも調節出来るけど、基本的には自分の運動量で調節している。太陽が少しでもあるときは調整がしやすい。

 

↑素晴らしいところを歩いているってこともわかってきた。

 

↑1人でトコトコこんな道を歩く。

 

↑遠くには青空も見える。神様、こっちですよー。僕はここですよー。こっちを照らしてー。

 

↑これは確か、#8で登場した優しい今井さんが言っていたアサギマダラだ。調べてみると2200kmを移動したりするとのことだった。これからどこかに向かうのか、それともどこからかここにやって来たのか、はたまた休憩中なのか。この蝶に比べたら僕なんてお子ちゃまな旅人。先輩、お元気で。

 

↑地球って感じがする。いいね。

 

↑青い空は見逃さない。あの下は気持ちいいんだろうな。ここはここで良いんだけどね。

 

↑見えて来たのは野口五郎小屋。

 

↑これがカッコいいのですよ。究極の秘密基地みたいな。素敵過ぎるけど、目的地はまだまだ先なので後ろ髪を引っ張られて引きずり回される思いで先を急ぐ。だって寒いんだもん。寄ってあったかいコーヒーとか飲みたかったんだもん。またいつか寄らせてもらおう。

 

↑しばらく登ると野口五郎岳(2924.5m)。歌手の野口五郎さんは、この山の名前を芸名にしたみたい。それにしてもこの雲をバックに写真を撮るとめっちゃ不気味だなあ。なんか形があれなんだよな、、、下に何かが埋まってるあれなんだよな。タイプ的には家で飼ってた魚とかを庭に埋めるやつっぽい感じ。でもその不気味さもまた良かったなー。ここ、場所的には絶対絶景だし、またいつか来ようかなって思った。

 

↑なんなら道もずっと不気味。少し体が濡れてしまった。体温もいくらか奪われた。まあいい。少し冷えてしまったけどしばらく頑張れば水晶小屋っていう場所に着く。そこで着替えさせて貰って、暖かいものがあればいただく事にしよう。

 

↑歩く道の右下には、水溜りが見える。めっちゃ天然の池じゃん!こんな山の上に池あるんだ?変なのー。

 

↑まだまだ歩く。寒い。水晶小屋まで頑張れ俺。こんなところでもうダメだー!とかいう選択肢はもう一ミリもない。後ろから誰も来なかったら夜はかなりきわどい状況になってしまうからね。それにしてもスマホで高度感や大きさを表現するのは難しい。人が写ってれば、どれだけ山が大きいかがわかるのに。とても迫力があってカッコいいのだよ。

 

↑道はいい感じだが、体は冷え切っていて寒い。そして問題が発生する。寒いけど水晶小屋まで一気に行って一気にあったまろう。って考えていた僕が水晶小屋に到着して見たのは、「営業終了」の看板。ここは北アルプスの最深部。雪が降るのが早いので、冬の準備を始める為にもう小屋を閉めたんだ、、。えーーー!?(泣)

 

↑さすがにテンションが落ちかけた。ずっと気を引き締めていたのが緩みかけた。作戦ミスもデカいけど、ただの調べるの不足と状況を想定する力不足。この状況のまま歩き続けるのは無理なのはわかっていた。だってカッパも着てないし軍手で歩いてたから。まだまだ先は長いから流石に低体温症になる可能性がある。そのぐらい体も手も冷えていたし、濡れてしまっていた。完全にやってしまった。自分の今からの行動次第では死ぬ可能性すらある状況にしてしまった。流石にアホ過ぎるわー。

 

↑さっきまで歩いて来た方を振り返ると、雲がいつの間にかなくなって野口五郎岳が見えていた(真ん中から右に伸びている平らな部分が野口五郎岳)。僕が歩いた後は見事に雨が止んでいく。ある意味晴れ男。

それから僕は考えた。水晶岳に寄るか、寄らないか。寄らなければ幾分か早く今日の宿泊地、三俣山荘に到着できる。でも、そもそもここに来たのは水晶岳に登りに来たんだよなあ。さあ寄らずに通過するか、水晶岳を目指すか。

 

↑山の行動原則みたいな事で、引き返す勇気も必要とか言うことがある。だから勿論それも考えた。でも一番はどーやれば行けるかばっかり考えていた。だって水晶岳に登りに来たんだもん。足を止めるともっと冷えるから歩みを続けながら、水晶岳を経由して無事に三俣山荘に辿り着ける方法を考えた。

 

↑何故、水晶岳に寄るか寄らないかなんて言ってるのか?というところだが、水晶岳の場所は今歩いている稜線上にはない。通り道ではないのだ。一旦この道を外れて水晶岳まで40分で行って30分で戻ってくる必要がある。そんな状況で服は濡れているし、小屋は使えない。そして寒い。写真ではなんか雨が止んでる様に見えるけど、雨は降ったりやんだりという状況で、基本的には降っている。

 

↑その時、背中で語る一匹の雷鳥が、僕にこう言った。。

「もう周りに人はいません。全裸になって着替えるのです。」

 

↑僕は目が覚めた。雨と風が降りしきる中、全裸になって着替えた。マジで寒かったけど、それ以上に北アルプスの風と雨を全裸で感じ取れたのは思いのほか爽快だった(笑)そして岩の陰にリュックを隠して身軽になった僕は水晶岳へ出発。体を温めるために小走り。さあ後少し。このペースで行けば20分ぐらいで目指す水晶岳に着く。寒いけど少しワクワクする。色々とやっていることがもう、ただの変態。

 

↑もうここは北アルプスの最深部。すぐ横には日本最後の秘境と呼ばれる雲ノ平が見える。そんな景色を見ながら歩くこと20分。最後の岩を登りきると、、

 

↑ついに来ちゃったぜ、、。

 

↑テンション上がって足も写しちゃうぜ。

 

↑凄い寒いけどそれどころじゃないんだ。

 

じゃーーーーん♪

水晶岳(2986m)。一年もかかってようやく到着。過去にもっとツラい思いして登った山もあったけど、ここは一番達成感があったなあ。山頂は見たこともない異様な景色だったけど、最高の気分だったから最高の景色に見えた。そして山頂はメッチャ狭くて、そこに一人ってのがまた良かった。

 

↑マジで雨なんだって。ここからまだ3時間20分歩いて三俣山荘を目指す。気は抜いちゃいけない。

 

↑ リュックを隠したところに戻って無事回収して、順調にワリモ岳(2888m)を通過。

 

↑目指す三俣山荘が見えて来た。写真の真ん中の緑が一番多いところに赤い屋根の建物が建ってるのが見える。山の低いところを通って直線で三俣山荘に行く道があったのだが、僕は左上の方向に登っている。まだ行きたい山があるんだよね。親指は感覚があんまない。冷えすぎだ。でも気合いは充分だったので、迷わず登る。疲れているのか、水晶岳で気が抜けたのか、13kgのリュックがさっきより重く感じる。

 

↑本当にとてもいい旅をしている。今日も何人かの人に会ったけど、みんな1人旅だった。みんないい感じの人だった。こーゆー旅もなんかいいなー。

 

↑鷲羽岳(2924m)。ここに寄りたかった。寒いけど折角だから写真を撮る。この直前に、登山者が出くわすと「あ!!!」ってみんなが写真を撮る、高山帯にいる雷鳥という鳥が、親子連れで5羽もいた。もう寒いし、そもそもそんなに興味ないからカメラを取り出す気は更々なかったが、「どーもー。」って挨拶して通り過ぎると、2匹がついて来た!もう家までついて来たら食おうと・・あ、間違えた。飼おうと思っていたが、しばらくすると家族の元へ帰って行った。ああ、写真撮ればよかった。結局、可愛かったなあ。

 

↑あの下に小さく小屋が見える。この後少しが長い。後はもう気合い。

 

↑あ!槍ヶ岳だ!とんがってるからわかりやすい。一ヶ月前に行ったなあ。こんな所から見れるとは。

 

↑見えて来た三俣山荘。今日はここの小屋に泊まる。途中で会った人もここに泊まっていたし、小屋で初めて会った人とも沢山話をした。一緒にビールを飲みながら話した。正直、みんな変な人だった。楽しかった。このブログも長くなりすぎたので、どんな変な人達がいたのかって話はまた次回に。

 

つづく。

 

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